R2D2を使うための環境設定

R2D2コードを使って計算するだけならば任意のfortranコンパイラ, FFTW, MPIのみがあれば良い。 Pythonコードを使って解析する場合は、いくつかのモジュールが必要なので、そのインストールの方法もここで説明する。

Fortranコードの環境設定

Mac

Homebrewを用いて、必要なコンパイラ・ライブラリをインストールすることを推奨している。 コンパイラとFFTWのインクルードファイルとライブラリの位置だけ指定すれば良いので、 任意の方法でインストールして構わない。Homebrew以外を用いる場合は、便宜make/Makefileを編集すること。

Homebrewのインストール

/usr/bin/ruby -e "$(curl -fsSL https://raw.githubusercontent.com/Homebrew/install/master/install)"

gfortranのインストール

brew install gcc

OpenMPIのインストール

brew install openmpi

FFTWのインストール

brew install fftw

Linux (Ubuntu 22.04)

ここでは、Ubuntu 22.04の場合のみを説明する。

gfortranのインストール

sudo apt-get install gfortran

OpenMPIのインストール

sudo apt-get install openmpi-doc openmpi-bin libopenmpi-dev

FFTWのインストール

sudo apt-get install libfftw3-dev

Pythonコードの環境設定

Anacondaをインストールし、以下に示すモジュール群をインストールする。 MacとLinuxで共通する部分が多いのでまとめて説明を記す。

Anacondaのウェブサイト から対応するインストーラーをダウンロードする。

  • Mac

    dmgファイルをダウンロードして、インストール。インストールされるPATHが変わることが多いが、探してPATHを通す。 /anaconda/bin~/opt/anaconda/bin など

  • Linux

    ダウンロードしてきたシェルスクリプトファイルのあるディレクトリで .. code:

    bash ~/Anaconda***.sh
    

    インストールするディレクトリは /ホームディレクトリ/anaconda3 とする。 /ホームディレクトリ/anaconda3 にPATHを通す。 スパコンのログインノードなどでもインストール方法は共通である。

ipythonの初期設定

以下は必須ではないが、ipythonを使う時の初期設定ファイルである。 ~/.ipython/profile_default/startup/00_first.py というファイルを作りそこに以下のように記す。

import sys, os
import matplotlib.pyplot as plt
import scipy as sp
import numpy as np
from matplotlib.pyplot import pcolormesh,plot,clf,close
from numpy import sin,cos,tan,arcsin,arccos,arctan,exp,log,log2,log10,mod,sqrt,absolute,sinh,cosh,tanh,pi,arange
plt.ion()
from IPython.core.magic import register_line_magic
@register_line_magic
def r(line):
    get_ipython().run_line_magic('run', ' -i ' + line)
del r

最後に記した設定によって、

r (Pythonスクリプト名)

とするだけで、スクリプトを実行できるようになる。

Googleスプレッドシート利用

計算設定などをGoogleスプレッドシートにまとめておくと便利である。 R2D2では、Pythonから直接Googleスプレッドシートに送信する方法を提供しているので、利用したい方は検討されたい。

手順については、 こちら を参考にしたが、少し手順が違うのでこのページでも解説する。

まずは関連するモジュールのインストール。

pip install gspread
pip install oauth2client

プロキシなどの影響でpipが使えない時は以下のようにする

gspreadのインストール

git clone git@github.com:burnash/gspread.git
cd gspread
ipython setup.py install

oauth2clientのインストール

git clone git@github.com:googleapis/oauth2client.git
cd oauth2client
ipython setup.py install

プロジェクト作成

ウェブブラウザで https://console.developers.google.com/cloud-resource-manager?pli=1 にアクセス。

_images/gen_project1.png

「プロジェクトを作成」として、プロジェクトを作成

_images/gen_project2.png

プロジェクト名はR2D2, 場所は組織なしとする。

API有効化

_images/google_drive1.png

次に検索窓にGoogle Driveと打ち込んで、Google DriveのAPIを検索

_images/google_drive2.png

Google Drive APIを有効にする。

_images/google_sheet1.png

同様にGoogle Sheetsと検索

_images/google_sheet2.png

Google Sheets APIを有効化

サービスアカウント作成

_images/service_account1.png

Google APIロゴ → 認証情報 → サービスアカウントとたどる。

_images/service_account2.png

サービスアカウント名はR2D2とする

_images/service_account3.png

役割は編集者を選択

_images/service_account4.png

キーの生成ではJSONを選択し、キーを生成する。 ダウンロードしたファイルは、使用する計算機のホームディレクトリにjsonというディレクトリを作成し、その下に配置する。そのディレクトリには、このjsonファイル以外には何も置かないこと。

スプレッドシート作成

以下のウェブサイトからGoogleスプレッドシートを作成 https://docs.google.com/spreadsheets/create

名前はプロジェクト名とする。R2D2では、pyディレクトリの上のディレクトリ名を読みそれをスプレッドシートの名前として情報を送るので、ディレクトリと同じ名前にする。

_images/spread_sheet1.png

講習会ではR2D2としておく。

_images/spread_sheet2.png

共有をクリックし、ダウンロードしたjsonファイルの中のclient_email行のEメールアドレスをコピーして、貼り付け。ここまでで、R2D2からGoogleスプレッドシートにアクセスできるようになる。

IDLコードの環境設定

システムにIDLをインストールすれば、それのみで使える。ここでは説明しない。

最終更新日:2024年04月05日